2007年10月2日火曜日

PCは増えてもスキルは落ちる

かつてPCの台数が少ないときはユーザのほとんどがプログラマーだった。
それもそのはず、プログラミングができなければ何にも使えなかったからだ。PCを使うこと=プログラミングであった。
しかし、WIMPとExcelでプログラミングが不要になった。この結果、PCは普及した。しかし、利用者のスキルは特に向上していない。
かつて、PCが高価であったときには、一生懸命使い方を覚え、自らのスキルを向上させた。つまり、機械が人間を育てた。
しかし、PCが安価になると、使わなくても惜しいと思わなくなる。わざわざ苦労してスキルアップしなくても、そこそこ使える。苦労するときも精神的な苦労(学習)より肉体的な苦労(ひたすらコピー)を選ぶ。
その結果、生産性はまったく上がらない。今でも少数のできる人に頼ることが多い。
付け加えると、スキルは低くても人数が増えたことで処理能力自体は増えている。それは重要なことだ。
しかし、今のPCはユーザを甘やかすだけで、鍛えることをしない。よい道具が人を作るという面は確かにあるのだ。問題は人を鍛える道具は人を選ぶということだ。一部の人をさらに向上させるか、全員で負担を分け合うか、いずれも道を選ぶかということだ。
安価な労働力に頼るなら、全員で負担を分け合うことになる。しかし、その結果、労働者の給与は他に安い労働力がある限りは決して上がらない。

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