2008年3月6日木曜日

もう一つのネットスケープOpenOffice

はじめに断っておくがOpenOfficeはネットスケープ社の製品ではない。しかし、Microsoftに類似の態度が感じられる。
まず、ネットスケープとMicrosoftの顛末を語っておこう。若い人は知らないかもしれない。
昔、ネットスケープのブラウザNavigatorは圧倒的なシェアを誇っていた。無料かつ高機能なので多くの人に支持されていた。しかし、MicrosoftがOSと一体化したInternet Explorer(IE)を配布するとあっという間にシェアを奪われた。別にNavigatorがWindowsに適さなかったわけではない。単にMicrosoftがインターネットを独占したかったからだ。
問題はIEが無料で配布されたことではない。OSと深く関連していたことだ。つまりExplorerとIEは実質的に等しかった。これは新しいアイデアなので一概に否定できない。しかし、その結果必然的にIEのシェアは高まった。これが独占禁止法に抵触し、長い裁判が始まった。今ではIEが圧倒的なシェアを持つ。
話をOpenOfficeに戻す。
Officeは元々Microsoftが築いた市場だ。しかし、そこにオープンソースの波が押し寄せた。OSSのOpenOfficeである。Microsoftはドル箱の市場を侵食されるのでうれしいはずがない。しかし、OSSは営利目的でないので開発企業を攻めることはできない。
そこで、MicrosoftはOpenOfficeと自社のOfficeが競合する設定を導入し、暗にOpenOfficeの導入を抑制しようとしているように思える。
1つは拡張子の競合だ。たとえばWord2003の文書はdocであるが、Word2007の文書はdocxだ。docxはOpenOfficeの文書でもある。つまり両方インストールすると関連付けがうまくいかずにトラブルがおきる。それを避けるにはOpenOfficeをアンインストールするしかない。Office2007を使わないという選択肢は難しいだろうから、OpenOfficeが排除されることになる。
OpenOfficeは拡張子を変更して共存可能な製品に改良するべきだ。
MicrosoftはEUでの判決を受けてOfficeのバイナリファイル形式を公開した。これによりOpenOfficeとOfficeの互換性は高まるだろう。どちらも公平に競争すればよい。それが消費者の利益になる。

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