2007年8月4日土曜日

日本のスーパーコンピュータ

日本の地球シミュレータはかつて世界一のスーパーコンピュータ(以下、スパコン)であった。
その栄光が忘れられないのか、また世界一への挑戦が始まろうとしている。
しかし、今と昔では状況が違う。
地球シミュレータは大きすぎる箱物だ。確かに地球環境のシミュレーションなどに役立ってはいるが、それ自体は決して地球環境にやさしいものではない。
今度のスパコンもベクトル計算を重視した王道を行くアーキテクチャである。心配なのは、またもや地球シミュレータ規模の箱物ができるのではないかということだ。
箱物は既にあるので、それを再利用すればよい。
また、環境問題の解決に使うスパコンが環境に悪影響を及ぼすというのはよいことではない。そこで、性能で世界一を目指すより、性能/エネルギーで世界一を目指して欲しい。性能はTOP10にいれば十分だ。環境性能こそ日本が誇るべき目標だ。
また、一時的に世界一になるだけでなく、それが維持できるような仕組みであって欲しい。そのためには新技術の導入が容易である柔軟性が必要だ。例えば、全体を均一にせず、ある程度の不均一さを許容する。より環境性能が高いCPUが登場すれば適宜採用する。
日本のスパコン開発はF1レースの感覚で行っているのではないかと疑っている。F1のレースは基本的にチューニングだ。スパコンの開発費はチューニングにしては大きすぎる。本来は、ガソリン車を電気自動車に変えるような技術革新を期待したいのだ。

0 件のコメント: