2007年8月4日土曜日

原子力か、CO2か

原子力発電には次々と問題が起きている。
しかし、それらの問題を解決し、先に進まない限りCO2を減らすことはできない。
地球温暖化を防ぐには2050年までにCO2を世界全体で50%減らさなければならない。日本のような先進国は50%ではなく80%ぐらい減らす必要がある。これは「石油を使うな」ということと等しい。
問題の一つは発電だ。火力発電を原子力や自然エネルギーなどに切り替える必要がある。
しかし、自然エネルギーだけでは火力発電の需要を十分賄うことができない。(この仮説には疑問もあるが、詳細は後述)
そこで、原子力に頼る必要がどうしてもある。
いつまでも原子力を拒否してはいられない。
原子力を受け入れなければ、地球が滅ぶかもしれない。
となれば、原子力を受け入れるしかない。
ここまでの議論でおそらく多くの人が抵抗を感じるだろう。自然エネルギーは当初想像していたより多くのエネルギーを生産できそうだ。しかし、それでも十分でない。どういう点で十分でないかというと、発電量ではない。いくつかの試算によれば自然エネルギーでもかなりの発電量をカバーできる。しかし、おそらく普及のスピードが十分でない。基本的に自然エネルギーは分散型の発電であり、一気に投資して実現できるわけではない。他のいかなるエネルギーも原子力ほど完成しているわけではない。事実、原子力開発を凍結していた多くの先進国は再び原子力開発に着手した。長期的にはウランも枯渇するが、効率よく活用すれば数世紀は安心できる。その期間を自然エネルギーの普及期間とすればよい。
次に、総論として賛成しても、各論で反対する人がいるだろう。例えば、原子炉付近に居住する人たちだ。これらの人々は既に原子力を受け入れているが、今後よりいっそう大きなリスクを受け入れなければならないだろうからだ。
原子力が現在のレベルであれば、火力発電の需要を賄うことは難しい。原子炉を増設するか、プルサーマル、高速増殖炉などが必要となる。これらはどこかの地域が受け入れなければならない。災害を考慮すると候補地は限られるだろう。

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