インドのタタ自動車が28万円の格安車を披露した。
日本の軽自動車と同程度の大きさで、価格は1/3だ。
この意味は決して小さくない。
人件費だけではない。同じインドでも他のメーカーは格安車を作っていない。正確には作れていない。作れるのかもしれないが、まだ作ろうともしていないし、作れてもいない。
徹底的に無駄を省いたからこそできたものだろう。
ラジオもないし、エアコンやパワーウィンドウもないそうだ。しかし、これは問題ではない。昔の日本車もそうだった。ラジオなど車になくても、ラジカセを持ち込めばよい。今ならiPodを持ち込める。気候が暖かければヒーターはいらない。涼しければエアコンもいらない。私が最初に乗った車にもエアコンはついていなかった。そんなに昔の話ではない。
エンジンだって走ることができればよい。スピードは出さない。
部品も最も大量に出回っているものを使う。特別な注文は一切しない。
デザインは特に妥協してくてもよさそうだ。
心配なのは安全性だ。これはあまり手を抜いて欲しくない。しかし、ABSやエアバッグは必須ではない。ブレーキさえ故障しなければ基本的に止まる。
細かい点をあげれば、先進国の法律をクリアしているかどうかは不明だ。しかし、基本モデルを安くし、それにオプションを追加することで各国対応を作ることができる。
やがて日本にも輸入されるようになるだろう。なにより安さは最大の武器だ。
これにはもう1つの意味があるだろう。
以前の記事で、車から運転する楽しみがなくなるとモジュール型商品になると述べた。既に格安車はモジュール型商品だ。手間をかけてチューニングするコストなどない。このような商品でも市場が満足するようになれば、日本企業は大いに苦戦するだろう。トヨタといえども倒産する日が来るかもしれない。
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